間違いだらけのボリュームチェック

最近では腕の良い企画設計の出来る人が減っているのだろうか。
どこの設計事務所でも、企画から実施設計、監理まで通して出来る人は数えるほどしかいない。

一つの事務所内でも企画適応者は10人に一人くらいだろうか。
適正というものが有る。
丁度パイロットになるための適正のようなものが。
それを無視すると本人にとっても悲惨な結末が待っている。

実際に建てる事を前提としたボリュームでもまともな図面を見るほうが少なくなっている。

接道条件を満たしていないのに平気で高層建築を企画したケース。
それでディベロッパーも土地の売買を進めている。

カタログだけ見て駐車装置を建物内に取り込み、大梁を寸断し構造的に高層が不可能になっているケース。

マンションの住戸なのに採光条件を無視し事務所のような空間を作っているケース。
事務所はなるほど一番容積を取りやすい。
北向きだろうと採光がとれていなくてもOK。
それと同じ条件で全戸物置のような住戸を企画している。

超高層なのに法規が厳しくなる事を知らず、避難も構造も成り立っていないケース。
非常用EVの設置方法も、特別避難階段の条件も知らない。
ただくっつけただけ。

どれもほぼ未経験なペーパー建築士がなせる業。
危険なんてものじゃない。
容積が多く取れている方が正義、と勘違いする人も多い世の中。
それ故にまかり通っているのだろうか。
建築以前の問題。

ゼネコンだから大丈夫、というのも本末転倒。
実務は設計事務所に出しているところが大半。
その設計事務所も以前は法の番人、法の教育係だったのが
今じゃ逆に役所に教えられている始末。

もう人のやったボリューム図面は見たくないというのが本音。
怖すぎるのだ。