建築家は竣工毎に倒れる?

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かつて礒崎新氏もそうだったらしい。
建築家は物凄いエネルギーを建築作品につぎこむ。
どれだけ惜しみなくつぎ込んだかで出来栄えが決る、といっても過言ではない。
そうして竣工後にはバッタン、である。
これは恐らく他の創造的作品を生み出すクリエーターの方々も同じだろう。
でも、これを繰り返していると体がモタナイ。

私も初期の頃は全身全霊を打ち込んだ。
最近は時間が無さ過ぎて、つぎ込む前にエンドマークが出てしまう。
初期につぎ込んだのはやっぱし、我孫子マンションである。
イメージは湖畔に佇む日傘をさした御婦人。
やさしい漣のようなキラメキを当時の未熟な私は必死に表現しようとした。
内部の回廊性も重要なモチーフ、自分の敷地内、それも傾斜地で千変万化の景観の連続を楽しんでもらおうと意図した。

当時の注ぎ込んだエネルギーは大変なものだった。
そして竣工後、私は倒れた・・。体力的にではなく精神が一部に偏りすぎて元に戻らなくなったのである。
勿論、マンションの広告なぞ、絶対に受け付けなかった。
見ることも近ずくことさえ不可能なくらい病んでしまった。

解決してくれたのは、何と、マンガ本。
当時の子供向けコミック「うしおととら」全巻を買ってひたすら読みまくった。読み終わったら不思議と治っていた。
そして全巻捨てた・・勿体無い?

今も不思議、今読もうとしてもどこが面白かったのか分からない。
でも当時は特効薬だった。サントリーのマカ飲料と共に。

昨日アクセス記録を見ていて発見。
「我孫子」で検索してきた人のリンク元をたどったら、
2CH系の掲示板に書いてあった。
「手賀沼沿いを車で走ってるとあのマンションがキラキラ輝いてて一目ぼれなんですが」
あ~うれしい。