下町のコーポラティブ

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(↑は上野寛永寺近辺の巨大椿)

実を言うととんでもない事を考えている。
コーポラの実績ゼロの私が言うと笑われるだけなので今は言わない。
貝になる。でも時が来たら口をぱっくり開く。

目指すものは余りにも遠く、手を差し伸べてくれる人も少ない。
昨日コーポラを専門にやっている設計事務所の所長さんと話す機会に恵まれた。
15棟以上の実績がある。すごい・・ため息。
その時にコーポラの業界、コーディネート達は疲弊している、と伺った。
建設会社も大会社は付き難い。どうしても小さな物件は小さな建設会社になる。
手間も時間もかかる。個々がバラバラ、それを何度も繰り返す。
大変だろうな~、と思う。

でもそこまで皆が皆、望んでいるのか知らん。
マニアックな間取りと素材と手間をかける事に、本当に熱心になれるのだろうか?
忙しい職業の人には無理。

何度も通ってオーダーメードの洋服を作るように、オーダー設計する。
着て試し、また手直し、満足感はあるだろうけれど全て人が望んでいるとも思えない。
素材はパックA、B,Cのグレードコースから選ぶ、で良いのかなという気もする。間取りはコンクリートの躯体に囲まれた二次元の世界だし。

建てる場所も高級住宅地、だけがトレンドだろうか?
住みたい場所はブランド品ばかりじゃないのでは、とも思う。
趣味に合わせる。例えば海に近い、森がある、川が好き、運動公園が必要、生まれ育った場所が好き、思い出の丘に似ている此処が好き。
住んだ事もない高級地に行くのは、着た事も無い高級スーツを着るのに似ている。
身についていればいいのにね。
例えば下町のコーポラティブハウスなんて面白い。
人情と歴史のある街に創るコーポラ。
場所は人も選ぶ。人も場所を選ぶ。

色々な意味で「よい場所」であること。
単に駅に近い、学校が近い、買い物が便利、ではなく明確なイメージを持った場所が私の思う「よい場所」。
イメージの無い場所は不毛だ。
かつてはあっても今無ければ、住む人を幸せに導かない。

なんてことを考えながら明日も少しずつ前へ進む。