職業柄、雨漏りの相談も受ける事がある。
鉄筋コンクリート造のマンションの雨漏りはやっかいだ。
雨水が遥か彼方から水道(みずみち)を通って浸入してくるからだ。
だが少なくとも漏れている個所は分かる。
1)下流側の個所を開ける。
天井、壁、ボードをはがしその場所には点検口を設ける。
間違っても開けたままにしてはいけない。心まで雨漏りする。
2)次に上流側を探す。
下流個所の真上から始める。
屋外で防水層があるのなら高圧のガス等で場所を特定できる場合がある。
もし防水層の立ち上がりに近い位置に設置物があれば撤去する。
土手よりも川の水面が高いのと同じ状況になっているから。
(立ち上がり高さは水上で20cm程度)
屋内で防水層が無ければ3)に進む。
3)屋内の場合はコンクリートスラブの上である。
下流個所の真上、床に点検口を設ける。
同材で扉の表面を作ればきれいで目立たない。
4)次に屋外側から屋内側に向かって高圧洗浄機で怪しいところに水圧を掛けていく。
当然、下流に雨水が流れないよう、上流側で対処しておく。
このとき、1箇所やったら時間を置き、場所が特定しやすくする。
5)原因場所が分かるまで何度も繰り返す。
気長にやるしかない。
でも大丈夫。上流側の点検口から見張れるので、吸水剤等を敷き詰めておけばもう下流に流れることは無い。
6)ここまで書いてふと思った。
大体、屋外から水平方向に屋内に水が入ることなんかあるんだろうか?
聞いたこと無いぞ。
仮に防水層を乗り越えたとしても、躯体の間にもぐりこみ
下に廻るはず。つまり屋外の防水層の下に戻るのだ。
屋外から直下の屋内へのパターンとなる。
外壁はタイルなどの防水加工が施してあり、仮にタイルの目地が切れていてもせいぜい躯体が濡れる程度だ。
その結果タイルが浮いてくる。それでもその程度だ。
直接屋内に水が浸入するには至らない。プールみたいに漬け込まない限りは。
7)以上。もしどなたか良い方法をご存知なら教えて欲しい。
間違ってもネットの知識など頼らないように。
あ、これもネットだ。