ボリュームチェック図よくある間違いを記します。
1)真北表示
公図や測量図に記された方位をそのまま使用しているケース。
測量事務所のハンコが押してあってもそれは磁北である。
真北はちゃんと角度表示がデジタル表示され真北と書いてある。
それ以外は磁北と見て間違いない。
真北測量は余分にお金が掛かるので初期段階では調査していない場合も多い。
磁北と真北では関東では7度程度異なる。日影時間で0.5時間近く誤差が出る。高度斜線でも大きく誤差が出る。
住宅地図で簡単に確認できます。
ご注意。
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2)採光斜線
商業地域と住居系等2つ以上の地域にまたがる場合、
商業地域が過半ならよいが住居系が過半を占めているのに
採光を商業地域の4mでやってるケース。
これはすごく多い。
ディベロッパー用のボリューム図面でも見かける。
7階建てなら7m程度必要となるのでその差は3mにもなる。
ご注意。
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3)日影規制2つの方法
日影規制をクリアするには低層タイプと高層タイプの2つがある。
低層タイプは敷地全体に建物を建てると仮定して、逆日影を計算する。
なだらかな等高線となりパターンも一つなので大変分かり易く、ついこれでやりたくなる。
高層タイプは日影規制では必ず敷地内に1箇所だけ高層建物が建つポイントが存在する。
そのポイントを手動で仮定して逆日影を求める。
これは無限のパターンが存在し、かなり慣れていないと特定できない。
私は3パターンを最低計算し、その後実際に建物を入れてから
今度はそれに合わせて高層の狭いポイントを移動させて調整していく。
この繰り返しでベストポイントを求める。
これは困難で時間のかかる作業だ。これを省き安易に求めてはいけない。
ご注意。
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4)ディベロッパーが売れるものを想定しよう
ひどいものになると、中低層分譲マンション想定で北向き住戸150㎡をずらり並べたもの見たことがある。
これで容積確保終了という訳なのだろう。
中低層では真西から真東までの180度が許容範囲。
南が最も高く売れ、東西はそれに次ぐ。
住戸面積もそれに合わせて増減するのが普通。
眺望優先、騒音防止等、よほどの条件が付加されない限りは
原則は破られない。
ご注意
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5)駐車場は良く考えよう
付属駐車場を簡単にすませようと?して
地下駐車場20台以上なのに自動車用EV1個ですませているケース。
車路スロープに20mもいらず、面積も6m角と最小、計画は簡単だが、
現実には先ずありえない。
何故か?入出庫に時間がかかりすぎて朝出られない車が続出する。
現実的でない。
最適な方法は現実にメーカーとのやりとりをどれだけ経験したかで決ってくる。
ご注意。
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6)建物が細長すぎる
いくらなんでも鉛筆のように細長いビルは建たない。
杭を打っても引き抜き転倒するからだ。
平面図だけ見て計画していると高さに気付かず間違いを起こす。
東京都には塔状比という構造指針が以前あった。
間口対高さの比が1対6を超えてはいけないというものだ。
今では応答解析により剛性を確保すればそれ以上を認める区もある。
間口2スパンで12mなのに高さ28階、これで容積取れます。
という図面を見たことがある。
応答解析の証明が出来ない、意匠事務所が適当にやってはいけない。
ご注意。
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7)天空率は万能ではない
道路斜線緩和に天空率適用と図面に書いてある。
が良く見ると、天空率を使うメリットが全然ないケースもある。
またそもそも適用チェックをしていないのに、やったかのように見せているケース。
2箇所以上カクカクと折れ曲がった道路の場合、
中間の部分に接する建物部分には天空率緩和は歯が立たない。
やるだけムダである。
逆に隣地とのわずかな隙間だけで大きな効果を発揮する狭小地の例もある。
断面で削るか、平面で削るか、そのコンビネーションか。
これまた多くの経験がないと答えは出ない。
ご注意。
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8)東京 路地状敷地に共同住宅は建たない
そもそも路地状敷地に該当しているのに、そんなの知らん。
共同住宅で計画しましたというケース。
23区ごとに路地状の判断基準が大きく異なる。
それも毎年少しずつ厳しい方向に向かっている。
逆に共通事項も増えている。
緩和規定はと問うても、個別案件ごとに区役所に質疑を提出後、1週間待たされたりする。
なにせ建築審査会の判断物である。
これも多くの経験により緩和規定集を集めた者が勝ち。
ご注意。
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注釈)
(1)~(8)は実際に実施設計をし監理出来る能力を持つ設計事務所の話です。それ以外は関知しません。