1997年に竣工した我孫子マンションが12年目を迎えた。
どういう巡り合わせか、私のところに大規模修繕工事のコンサル依頼があった。
かつての事業主社長の紹介だった。
自社で大規模修繕を受けるのは初めて。
過去に2度ほど経験はあるが、他社が設計した物件には興味がわかない。
そもそも建物の躯体まで判定できない。
この建物は私が独立して最初の分譲マンションだ。それもバブル期に数多く手がけ、設計まで終了したのに着工前に全てはじけ飛んだ斜面地マンションの集大成だった。
これのコンサルを自分がやらずして誰がやる。と思って引き受けた。
ほぼ採算度外視。
コンサルという立場も初めてだったので報酬もいくらにしてよいか分からず、後で改修工事に詳しい知人に数字を言ったら呆れられた。
建築は年を経て良くならねばならない。年輪が刻みついてこそ、本物と思っている。
自分で開発から監理まで全てやった物件は愛しい。
その骨(構造)から血(設備)肉(躯体仕上)に至るまで知り尽くしている。
勿論、生まれた経緯も、長い工事中の尽きぬ思い出もみんな、みんな全て含めてこの建物は建っている。
そこで滅多にやらない事だけれどここに着工前の現地調査写真を掲載します。
1995年10月。竹林に眠る40度の傾斜地。
南側の道路から見た敷地。鬱蒼としている。
お隣のマノービューから見た敷地。竹は高さ10m以上ある。
勿論中は歩ける角度ではない。
南側道路を上の写真と反対側(西から)見ている。
西側階段道路を見ている。
同じく西側階段をもっと北側から見ている。